避けたい失敗談
遺産相続では大きな財産が動くため、「知らなかった」「勘違いしていた」では済みません。何百万、何千万、人によっては何億というお金が動く機会です。
後々のトラブルを避けるためにも、不要な債務を負わないためにも、少しでも不安なことがあれば迷わず専門家に相談することをおすすめします。
1. 遺言を残さずに失敗した話
Aさんは、息子を先に亡くしてしまったが、その後も息子の妻が献身的にAさんの介護をしてくれていた。
Aさん本人は本来息子が相続するべき財産を息子の妻に相続させようと考えていたが、そのためには遺言を残さなくてはならないことを知らなかった。
結局Aさんが亡くなった後、Aさんの遺産はすべて遠方に住む娘が相続することになってしまい、息子の妻には一円も残すことができなかった。
こうならないために
Aさんの息子の妻は法定相続人になることはできないため、遺産を残したい場合には遺言を作成することが必要です。
遺言を作成しておけば法定相続人でない息子の妻に財産を残すことができます。
(ただしAさんの娘には遺留分があるため全額は残せない場合があります)
2. 誤って相続放棄してしまい失敗した話
Bさんが亡くなった後、Bさんの息子たちは母親であるBさんの妻に遺産を全部相続させようと思い、全員相続放棄の手続きをした。
Bさんの息子たちは相続放棄の効果を良く知らなかったため、全員が相続放棄をすれば母親がすべての遺産を相続すると思っていた。
Bさんは両親をすでに亡くしていたが兄弟がおり、息子たちが全員相続放棄をしたことでBさんの兄弟たちに相続の権利が発生することになった。
自分たちに相続の権利が発生したことを知ったBさんの兄弟たちは、遠慮せずに遺産分割を要求してきた。
このため息子たちが母親のために相続放棄をしたにも関わらず、兄弟たちに法定相続分の1/4を支払うことになってしまった。
こうならないために
相続を放棄するのではなく、Bさんの妻と息子たちが相続を承認し、遺産分割協議でBさんの妻に全額相続させるようにすれば他の親族が相続人となることはありません。
また兄弟には遺留分がないため、Bさんに遺言を残しておいてもらうことも有効な手段です。
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